2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『第五十回日本舞踊協会公演』(歌舞伎座)

に行った.種類を色々観られたのがなんと言っても収穫で,収穫と言えば最後に松本幸四郎が出てきたことなんかはまったく予期していなかったのであった.しかし隈取りなんかしてしまうと幸四郎だかなんだか初心者の遠目には全くよく分からないので,そのあた…

不明のバラッド

『公開録音中!「BOZO LIVE」』(代官山晴れたら空に豆まいて)

に行った.素晴らしい.基本的に「どジャズ」というか,バップバップしているのだが,もちろんBOZOのメンバーではそれだけで終わるはずもなく,特に外山明のかき回し方は初見だったこともあり印象的だった.しかしなぜだか知らないがいやにお客さんが少なく…

Just Like A Woman

POTALIVE 駒場東大前編 vol.1『ミカタ/museum』(作・演出:岸井大輔,出演:木室陽一ほか,京王帝都電鉄井の頭線駒場東大前駅西口改札前14時待ち合わせ)

を観に行った.しかし,ポタライブにおいてはこの「観に行った」という記述自体が問題になる可能性があり,他に自分が使う書き方では「観た」「行った」などがあるが,まぁ,どうだろう.前日の山賀ざくろ同様,二千円で,ちょっと高いなこれは.というのも…

Don’t Pass Me By

山賀ざくろソロダンス公演『卒業』(千歳烏山Studio GOO)

を観に行った.民家みたいな会場で,こぢんまりと.山賀ざくろは初見だったが,もっと踊ってほしかった.あの内容で二千円では高いのである.動き始めると,康本雅子と共通するヴォキャブラリーの多いことに気がつく(ちなみにこのヴォキャブラリーについて…

Jim On The Move~Mission Blues

五反田団『いやむしろわすれて草』(作・演出:前田司郎,出演:志賀廣太郎・端田新菜ほか,こまばアゴラ劇場)

を観に行った.サイコー!現在もっとも観るべき劇団としては,チェルフィッチュ,ポツドールとそして五反田団の名前を挙げるべきだろう.ただし,チェルフィッチュとポツドールにおいて,脚本と演出のレベルで岡田利規と三浦大輔それぞれの手つきがきわめて…

I Shot The Sheriff

劇団地上3mm『1983年、東京ミッキー』(作・演出:川口典成,阿佐ヶ谷アルスノーヴァ)

を観た.前半わりと面白い雰囲気になっていくところがあったように思ったが,後半失速したか.その前半の面白さというのは,劇構造がスッと差し替わっていくことが続くシークエンスで,そのあわいに,どのレベルの構造に依拠して劇を受容したらいいのか微妙…

Savoy Truffle

『夢十夜 海賊版』(吉祥寺バウスシアター)

を観に行った.ひどい!最悪.ぐちゃぐちゃじゃないか.自分は縁故びいきをすることなどについてはやぶさかではない方ではあるのだが,縁故びいきでも何でもなく,船曳真珠監督の「第五夜」はその中で唯一大丈夫だった.そして大丈夫なだけではなく,よかっ…

悪漢

山崎努,2003,『俳優のノート〜凄烈な役作りの記録』文藝春秋

読了.すさまじく面白かった.こんな面白い本はなかなかない.特に,「演技の善し悪しとかいまいちよくわからん」という人は読んだらいい.でも,実は,そんなことは全く関係なくみんな読んだらいい.個人的には観客の笑いについてのくだりが大変興味深かっ…

Mars

蜷川実花監督,2007,『さくらん』(原作:安野モヨコ,音楽:椎名林檎,出演:土屋アンナ・安藤政信ほか,日本,カラー)

を観に行った.新宿ジョイシネマ.この映画は自分のためにあるのではないかと思ってしまうほど,一般的に評価すべきかどうかは置いておいて自分としてはたまらん感じだった.とは言えまぁ椎名林檎がどかんと鳴ればほとんど何でも良いのかも知れないので,そ…

Portrait Of Jenny

松原隆一郎・荒山正彦・佐藤健二・若林幹夫・安彦一恵,2004,『〈景観〉を再考する』青弓社

読了.景観ではなくて〈景観〉.というあたりのしょうもなさはまぁ斯学の持ち味でありますから放っておくにしましても,いまひとつぴんとこなかった.が,均質空間という語などは面白い.妙な感じにデザインデザインしたニュータウンがあって,それは均質空…

The Fool On The Hill

ポツドール『激情』(脚本・演出:三浦大輔,出演:米村亮太朗/安藤玉恵/町田マリーほか,本多劇場)

を観に行った.あまりに素晴らしかった.前回の『激情』を観たのはほぼ三年前で,その三日前には川口典成作演出の『サイクル』を観たのだ.今回の再演『激情』は,演出意図のフレームが非常にクリアに伝わってきて大変素晴らしい.演出意図を明確に伝えると…

I’m Gonna Be Strong

『吾妻橋ダンスクロッシング The Very Best of AZUMABASHI』(企画・構成:桜井圭介,アサヒアートスクエア)

に行った.これに行かないでどうする!という位の感じだったが,蓋を開けてみると意外と満足度は低かった.オープニングの身体表現サークルは切れ味悪く,またその悪い切れ味も楽しめる感じではなく,だめ.続いて康本雅子「姉?」は前回の吾妻橋でやった「…

おやじの背中

Dostoevskiy, F.M., 1866, Prestuplenie i nakazanie.(=1928,中村白葉訳『罪と罰 第二巻』岩波書店)

読了.徐々に面白い部分がちらほらと.あけすけな人間の描写とかは,やはり,やはり.たとえば登場人物の1人は,貧乏だけど教養ある美しい娘をずっと探していて,それをとうとう見つけて我がものにしようとする.彼は金持ちで,娘を苦境から救い出してやるこ…

SUMMER of California 73

鳥居明雄,1989,『鎮魂の中世』ぺりかん社

読了.感想が書きにくい感じだが,感銘を受けたあとがきの箇所を引用などしてみよう. 妙な例になるかもしれないけれども,能を観はじめてまもないある晩,「百万」のシテが舞台上から足を踏みはずし,正先の白州に落下したことをよく憶えている.しかし,そ…

錯乱(TERRA Ver.)

Nibroll『no direction。』(振付:矢内原美邦,映像:高橋啓祐,衣装:矢内原充志,パナソニックセンター東京有明スタジオ)

に行った.いきなり冒頭から,アングラ演劇の現代的翻案を見ているような感覚で,おそらくそれはその時代その時代における「正しい舞台」のあり方なのである.無茶な感じのエネルギーと全体性への志向,不可能なことなんてないぜ具合など,一般的に舞台とい…

ヨルノクジラ