2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

佐野洋子,1990,『私の猫たち許してほしい』筑摩書房

読了。「100万回生きたねこ」と入力したら「100万海域種子」と変換され、もはや、いろいろどうでもよくなるなこれは。誤変換について書きたい気もするが、なんと言っても佐野洋子である。あとがきは高橋直子。源一郎さんの奥さんらしい。源一郎さんの…

Warped

珍しいキノコ舞踊団『3mmくらいズレてる部屋』(構成・振付・演出:伊藤千枝,美術:ジャスティン・カレオ,鎌倉芸術館)

を観に行った。はるばる大船まで。ずっと気になっていたのは、ピナ・バウシュに関して、「どうして感動するのだかわからないが、記憶の中の何か、抑圧されていた何か、が解放されて、本人もなぜだか分からないままにただ泣いてしまう」という話を聞いたこと…

I LOVE YOUの逆襲

碓井粔・丸山哲央・大野道邦・橋本和幸編,2000,『社会学の理論』有斐閣

読了。この本は社会学の概説書のような顔をして、何かと言えばグローバリゼーションである。でももしかしたら「この本は」という指示の仕方は不当で、本当は何ら指示対象のない「何かと言えばグローバリゼーション」こそが正当なのかも知れない。さらにしか…

曼珠沙華

劇団地上3mm『砂の女』(原作:安部公房,構成・演出:川口典成,王子小劇場)

を観に行った。それで、よく分からなかったのだった。よく言われる言い方で言えば、「何がしたいのか」分からなかったのである。もちろん、この「何がしたいのか」というのは信じがたい安直な視点なのである。なぜなら、何かしたいことのある人がそれを自覚…

I AIN’T GOT NOBODY (FOR REAL)

佐藤慶幸,1999,『現代社会学講義』有斐閣

読了。もう二週間も前なのでよく覚えていないが、社会学の概説書の体裁をとりながらも自分の言いたいことを言いまくっていて、抱き合わせ販売のような様相を呈している。それでそれが、アメリカ礼賛なのだ。アメリカにおける市民団体の活動がいかに活発であ…

RHAPSODY

作田啓一・井上俊編『命題コレクション 社会学』筑摩書房

読了。もう最近はこんなものばっかりで、で、自分の専門についてはあまり書きたいことはないな。あ、「予言の自己成就」について、この命題がなぜ面白いのかということをえんえんと書いているくだりがあった。それでそれは社会学的という以外に、美的に面白…

COMME A LA RADIO

Habermas, J., 1988, Nachmetaphysisches Denken. Philosophische Aufsäzte, Frankfurt am Main: Suhrkamp.(=1990,藤澤賢一郎・忽那敬三訳『ポスト形而上学の思想』未來社.)

読了。語用論的転回の話が出てきた。色々読んだものがリンクされていく感覚というのは知り得ないことなど何もないというちょっとした全能感にも似て甘美だ。人文科学に携わるならば当然踏まえなければならない絶望というものがあって、まぁ絶望と言うといか…

Whole Heap Of Little Horses

宮島喬編,1995,『現代社会学』有斐閣

読了。なかなか良い教科書ではないか。前にも書いたけれど教科書というのは読むのに時間がかかる。記述がいちいち重いし、あまり繰り返してくれないからだ。なので久しぶりに頭が疲れた。近年は手を抜くことばかり覚えて、頭を疲れさすことがない。疲れたも…

Bee Tee’s Minor Plea

Mead, George H., 1934, Mind, Self, and Society, from the standpoint of a social behaviorist, Chicago: The University of Chicago Press.(=1995,河村望訳『デューイ=ミード著作集6 精神・自我・社会』人間の科学社.)

読了。シュッツを読んだりミードを読んだり、ホントお前自我とか大好きだな!って感じだが、特にそんなことはない。それにしても「一般化された他者」とか「"I"と"me"」とか、概念として鮮やかだ。そしてこの本の白眉はなんと言っても訳者あとがきである。い…

パンに釘

山田富秋編,2004,『老いと障害の質的社会学〜フィールドワークから』世界思想社

読了。この分野でのこの手の本は他にないのである。と言われてもどの分野のどの手の本なのかということはよくわからないとは思うのだが、まぁ説明が難しい。重要なのは、本や論文が無限にあるわけではないということだ。複数の人間が同時並列処理よろしく色…

THAT’S HOW I FEEL

Schutz, A., 1973, Collected Papers I: The Problem of Social Reality, Hague: Martinus Nijhoff. (=1985,渡部光・那須壽・西原和久訳『アルフレッド・シュッツ著作集 第2巻〜社会的現実の問題[II]』マルジュ社.)

読了。第一巻とほとんど同じことが書いてある。というか、第一巻のなかでも繰り返し同じことが書かれていて、まぁそういうタイプの本なのだ。ちょっと読んでみると小難しいことが書いてあるような気がするけれども最後まで通読すると結局同じことを繰り返し…

踊る鳥と金の雨

ケン・ラッセル監督,1975,『Tommy トミー』(音楽:ピート・タウンゼント,出演:ロジャー・ダルトリー / オリヴァー・リード / アン・マーグレット / ジャック・ニコルソン / エルトン・ジョン / エリック・クラプトン / ピート・タウンゼンドほか,イギリス,カラー)

をDVDで観た。こんな凄いものだったなんて・・・!本当に凄かったので、今度から我が家に遊びに来た人は必ず一度は『トミー』を観なければならないという家訓でも作ろうかという、まぁ作らないけど。特にクラプトンがにやけているというかちょっと薄笑い気味…

O Tannenbaum